4 仲間

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あたしは周囲をキョロキョロと見回す。 貴明が姿を消してから、出来るだけ急いで追ってきたはずだ。 そんなに引き離されたつもりはない。 「タカッ!」 あたしの声を、貴明が聞かないわけがない。 空に向けて放ったあたしの呼び声に応えるように、貴明が返した。 「あぁあああああ!」  ――ハウリング―― 泣き。 叫び。 どう表現していいのかわからないが、確かに貴明の声だ。 その声は、ユキが起こしたハウリングのように、あたしの胸を苦しく絞める。 タカの声は、あたしにとっては『ハウリング』。 あたしは夜気を縫って、声のした方向に走る。
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