4 仲間

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貴明はあの公園にいた。 貴明とふたりでボコボコにされた公園。 あたしが、 「タカだけが味方だ」 と本気で思った公園。 「一緒にいて」 と本気で願った公園。 そのジャングルジムのてっぺんで、貴明は、 「あぁああああ!」 叫んでいた。 空に向かって、今は見えない太陽を呼ぶように。 誰かを呼ぶように。 「あぁああああ!」 「タカ!」 あたしはジャングルジムの下に駆けつける。 「もう止めよ。近所迷惑だよ」 ここは荒野の真ん中じゃない。 こんなライオンの咆哮のような声をあげ続けたら、近所に通報される。 実際、もう通報されているかもしれない。 世間は野生動物には冷たい。 「警察くるよ。行こう」 「――放っとけ」 貴明はぷいとそっぽを向いた。 「オレにキスされたくなきゃ放っておけ」
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