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貴明がガリリと強く爪を噛む。
力をふるうことが出来ない獰猛な牙をなだめようとしているように見える。
そして、
「さっさとチィを手に入れちまえばよかった」
貴明の呻き。
貴明はジャングルジムのてっぺんに座る。
「もっと早くチィを壊しちまえばよかった……」
「どうせチィもいなくなるんだ」
貴明は頭を抱えて小さくなる。
まるで小学校5年生みたいだ。
あたしは、ジャングルジムに手をかけて登った。
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