心のシグナル

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心のシグナル

結城リュウがふわりと着こなした大きめのTシャツの袖口を、 「暑~っ!」 と言ってめくりあげた瞬間にのぞく、筋肉質の二の腕が好きだ。 と言ったら、古葉クレナから、 「――ヘンタイ」 の称号をいただいてしまった。 「香織もあれよね。いい加減ヘンタイよね。片思い暦もこれで……」 1、2、3と指折り数える。 「中学ん頃から数えてもう5年目よ」 「高校受験も無理してランクアップさせる根性があって、1年の時はクラスが違って、2年でやっと一緒になれたって、泣くほど喜ぶぐらい好きなクセして。 二の腕見てるだけで満足してるなんて、ね」 相変わらず容赦のないクレナの言い回しは健在だ。 「今にチラリズムだけで妄想して、ひとりで萌えてるオバサンになるわよ」 いや、ますます磨きがかかったか?
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