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「だってー」
朝月香織は唇を尖らせた。
「なんだか、ちょっと話しかけにくくなっちゃったんだもん」
香織の流す視線の先には、他のクラスメートに囲まれてにこやかに談笑するリュウの姿。
「そう、よね。あいつなんだか、格好よくなっちゃったから」
クレナも同意する。
中学のころは、自分から皆に話しかけることは避けていた、おとなしい印象の生徒だった。
だけれど大抜擢された体育祭のリレーで目を見張るような活躍をみせて、クラス中で手を取り合って喜んだその日から、確かにリュウは遠くなった。
それはリュウに心が許せる友達が増えたせいもあるのだけれど、きっとそれだけが理由じゃない。
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