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思わず振り返った私は、口を開けたままの状態。
「え?」やっと言葉を絞りだせた。
私の言葉に答えるように「ありがとう」と、もう一度、同じ言葉を繰り返し、私に向かって微笑んでいた。
信じられなくて、「チャウ?」と聞いた
チャウは微笑むことを止めず、また「ありがとう」と言葉を発した。
今日は七夕で、愛犬のチャウを拾った日を誕生日に決めて、一緒に祝おうと七夕祭に行く途中だったのに。
チャウが人間の言葉を使っていた。そして、光の粒になって消えかけている。私は、涙が溢れかえっていた。
「なんで! 行かないで、もっと、もっと、いっぱいお喋りしたい。私を置いて行かないで! チャウ! 」
それでも、チャウは微笑み「ありがとう」と言って消えてしまった。
短冊に「また、チャウに会えますように」と涙を流しながら書いた。
空を見上げると今までに見たことのない綺麗な天の川が光輝いていた。
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