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手を動かし続けること小一時間。
いい加減飽きてきた。
ずっと座りっぱなしで単純作業を続けると、なかなかキツイものがある。
これを一人でやらなきゃいけなかったとは、かなり先生が可哀想に思えてきた。
ようやく作業の終わりも見えてきて、俺のご褒美も近づき、だんだん楽しくなってくる。
「♪♪」
鼻歌交じりに手を動かしていたら、先生につっこまれた。
「音痴。」
んなっ?!
「音痴じゃないし!!!」
音痴と指摘されたのが恥ずかしくて思わず先生にその辺にあった消しゴムを投げつける。
うん、八つ当たり。
見事顔面に命中!
「…ってぇ。」
へへ、ざまぁ。
………?
あれ?
先生が顔を抑えたまま動かなくなってしまった。
「え…ちょっと、どしたの先生。
消しゴムだよ?ゴムだよ?当たっても痛くないでしょ?ねぇ…」
ちょっと不安になってきた俺は、ユサユサと先生を揺さぶりながら顔を覗き込んだ。
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