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「ねぇ、せんーーー…」
ちゅ。
ねぇ、先生ってば。
そう言おうとした俺の唇に何か柔らかいものが触れた。
「引っかかってやんの。」
ぺろっと舌を出して、先生がいたずらっ子のように笑った。
「先生…
返してください!俺のファーストキス!!!」
俺がそう叫ぶと、先生は驚いたように目を見開いた。
「…え、嘘だろ?」
さすがに申し訳なく思ったのか、先生は焦っている。
「嘘な訳ないです!俺、ファーストキスは好きな人と、って決めてたのに…」
ほんとはファーストどころか、セカンドもサードもいつだったか覚えてないくらいとっくに済んでるけどね。
勝手にキスした仕返し。
先生なんかキスしたことを後悔して悩めばいいんだ。
俺はニヤリと心の中で笑った。
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