431人が本棚に入れています
本棚に追加
睨み合いから先に目をそらしたのは雪ちゃんで、雪ちゃんは俺を見つけるとすごくホッとしたように俺に笑いかけた。
「玲央くんっ!」
そして抱き着かんばかりに駆け寄ってくる。
あーー可愛い。
ほんと癒される。
「わざわざ迎えに来てくれたの?」
「だって、玲央くんいつまで待っても帰ってこないんだもん。」
「でも雪ちゃん、俺と部屋違うのによく俺が帰って来てないって気づいたね?」
「翔平から連絡きたんだよー。
玲央くんが帰って来てないって。」
あれ、2人って仲良かったんだ?
意外な繋がりにちょっと驚く。
「翔平にもお礼言っとかないとなー。心配してもらっちゃったし。」
「翔平がご飯冷めるから早く玲央くん連れて帰って来いって。」
え!ご飯作ってくれてんの?!
さすが、おかん。笑
「早く寮に戻れ。」
先生の不機嫌そうな声に、ここが数学準備室だと思い出される。
「あ、失礼しました…!」
先生の顔を見ると、さっきのことが頭をよぎって、顔に熱が集中する。
わ、忘れなきゃ…っ。
最初のコメントを投稿しよう!