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潜伏場所に戻ってきたシンが、開けた大きめのスーツケースから、まさかと思えるほど不自然に身体を折り曲げた、裸のジンインが転がり出たときには、さすがの3人組も驚いた。
ダラリとした肢体に、シンがジンインを殺してしまったと思ったのだ。
だがどうやら、殴られて気を失っているだけのようだ。
「シンさん。これはちょっと……」
初めて生で見る芸能人、しかも自分がファンの女優が、裸のまま、まるで物のように扱われる様を見て、ポチは思わず非難の言葉を口にする。
慌てて部屋の中に取って返し、ひとつきりしかないベッドのシーツを剥がして、ジンインの裸の身体に巻きつけてやった。
シンの許可なくジンインに触れるポチに、タマはポチをフォローするように、シンから庇った。
「せめて冷えないようにしなきゃあ。お腹に子どもがいるそうだし」
ポチの情報によると、妊娠5ヶ月にはなるそうだが、ちらりと見た感じでは、まったくそうは見えない完璧なプロポーションだった。
ジンインの容体を確認していたポチは、イラつきをこらえきれなかったのか、吐き捨てるようにつぶやく。
「ひでぇ、首んとこアザになってるよ。相手は女だぜ」
思わず出たのであろうが、そのあからさまなシンへの暴言に、タマが慌ててポチの口を塞いだ。
「――おい、いい加減にしろ」
ポチはハッとしたように顔をあげ、失言を恥じるようにうなだれる。
だが素直な表情は、シンの所業にけして納得したわけではないことを教えている。
「ポチは、ずっとジンインのファンだったもんな」
タマが慰めるようにポチの肩を叩いた。
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