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最初のふたりが、腰高のカウンターを一気に乗り越えんと両手をかけて跳んだ
そこを下から黒い衝撃が襲う。
左の男の喉元をシンの特殊警棒が貫き、右の男の足をシンの腕が払った。
足を払われた男は、着地のために受け身を取らざるえない。
喉元を固い警棒の先で貫かれた男は、そのまま呼吸を止め崩れ落ちる。
だが足を払われ転がった男は、手をついて丸まり体勢を立て直した。
間髪いれず、その頭上にシンが厳しい警棒の一撃を振り下ろす。
しかし腕に仕込まれたプロテクターで止められた。
代わって蹴りだされた足を、シンはその場でジャンプしてかわす。
突き出された足を挟むように着地すると、捻りながら転がって、男のヒザの内側側副じん帯を破壊した。
シンは、二陣で襲ってくるはずの2人を迎え撃つために、店内の方を振り返る。
すると、カウンターの向こうでは、ポチとポン太がそれぞれの敵と向き合っていた。
ポチは愛用のパソコンを盾にし、敵との距離を取りながら睨みあっている。
しかしポン太は愚直に男と組み合おうとした。
「ダメだ!」
シンはとっさに手にした警棒を投げつける。
それはポン太の敵の体勢を崩し、瞬間に突きだされた点穴針が、ポン太の頬をかすめた。
「うおおっ」
ポン太は唸るように言って、その太い足で前蹴りを繰り出した。
敵はバク転でかわして、ポン太との距離を測る。
「暗器使いだ。うかつに近づくな」
ポチが、喉元をカバーしたパソコンの陰で、叫ぶようにしてポン太に教えた。
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