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昨日たまたまそうなってしまったことを願ったが、僕の願いは儚く散り、そいつはまた僕の足元から伸びる。
しかも、西日などとは関係なく、朝日が昇る登校時や天高く見下ろすお昼の時間帯にもそいつは現れ、こう呟く。
「ヒ○○カナエ○」と。
得体の知れない恐怖心とストレスで、精神的に限界が来ていた僕は誰かに相談しようとも思った。けれど、いくら小学生とはいえ、そいつの存在を僕の認識している通りに話すのはあまりにも馬鹿馬鹿しいことだった。だから、このことはコンプレックスを抱えてしまったと仕方なく心の奥底にしまい、墓場まで持っていくことを心に誓った。
少しそいつに慣れた僕は、次第に呟いている内容を解析しようと耳を澄ませるようになった。それが、色々と悪化させる原因に繋がったかもしれないと、今では思う。
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