1話

4/4
前へ
/4ページ
次へ
テレビと大きなソファがある、リビングに座り込む。 休日のテレビは再放送のドラマが多くて、私はそれを見るのが楽しみだった。 平日は学校で勉強して帰ってくるために、家では携帯をいじって、テレビをみることはほとんどない。 ガタッ―ドタッ― 上の部屋から物音が絶えず、テレビに全く集中ができずに私はイライラしていた。 数時間経った後、物音はしなくなり、何事もなかったかのように私の家が静まり返る。 キッチンにあったフルーツが切れたのに私は気づき、おもむろに立ち上がり、部屋着の上から少し大きめの水色のパーカーを着て、サンダルを履いて玄関を開けた。 「あ、ちょうどよかった!」 顔をあげるとふわふわでアッシュブラウンに染まった頭のかわいい男性が立っていた。 「えと…」 「上の508号室に越してきた大山拓人です」 スッと小包を渡され、私は受け取った。 「この家の小井田蓮です」 「蓮さんですね!それで、親御さんっていますか?」 「普段家にいないので今日もいないです」 「そっか、じゃあ、機会があったらまた来ます。これからよろしくお願いします」 大山さんは深く頭を下げて、エレベーターに乗った。 私は小包を玄関に置き、スーパーに向かった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加