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「まあまあ、ミレディアに似て、とても可愛らしい事。ディグレス殿に似て、才気溢れる聡明なご令嬢だと聞いていたから、これほど愛らしいとは予想だにしていなかったわ」
それを聞いたミレディアが、少々拗ねた様に言い返す。
「お姉様。それではディグレスに似たら、可愛くないと仰るの?」
「だって真面目なのは良いけれど、ちょっと堅物過ぎる所があるでしょう?」
「……否定できませんわね」
互いに苦笑いしながらのやり取りを見て、エセリアの緊張も徐々に解れてきた。
(なんだかさっきまでとは違って、王妃様とお母様との会話が、急に砕けた感じに……。でもこの方が、姉妹らしくて良いわよね)
そんな風に微笑ましく思っていると、ミレディアが思い出した様に言い出した。
「いけない、話に夢中になってしまったわ。エセリアの話の途中だったわね。今回エセリアが、お姉様にお持ちした物があるのです」
「あら、何かしら?」
「エセリアが去年からワーレス商会と提携して、色々な玩具や本を開発、販売をしている事はご存知でしょう?」
「ええ、勿論。ワーレス商会側はそれを大々的に宣伝したりはしていませんけど、シェーグレン公爵家のパーティーに参加した者達にとっては、周知の事実ですもの。そんな子が私の姪だなんて、本当に鼻が高いわ」
嬉しそうにそう言われたエセリアは、笑顔で申し出た。
「ありがとうございます。それで今日は、新作の玩具を王妃様にお持ちしました!」
「まあ、新作を?」
「はい。まだ一般には売り出していない、試作品段階の物なのです。今日は王妃様に、これでお楽しみ頂こうと思いまして。勿論、玩具とは言っても、これは寧ろ小さい子供より、ある程度大きい子供や大人でないと、面白さが分からないと思います」
そう説明を受けたマグダレーナは興味を引かれたらしく、軽く身を乗り出しながら尋ねてきた。
「面白そうね。早速試してみても良いかしら?」
「はい、そうしましょう! それではそちらの丸テーブルを使わせて貰って宜しいですか? それと、その周りに人数分の椅子を置いて欲しいのですが」
「ええ、構いませんよ? カーラ、リスベル、お願い」
「畏まりました」
少し離れた所で控えていた侍女にマグダレーナが指示すると、二人はきびきびと動き始めたが、一人がエセリアに問いを発した。
「エセリア様、椅子は何脚並べれば宜しいでしょうか?」
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