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「あの~ワタクシ、あなた様になにか粗相なことをしてしまったでしょうか?正直、ワタクシめには身に覚えがありません。だから私を呪ってもおいしくないですよ?」
覚悟を決めたわりには終始裏声。
仕方ないじゃん。だって私か弱い女の子だもん。
「呪う?なんの話だ。そんなことより人と会話するときにはまず相手の目を見て話せ。親から習わなかったのか?俺の目線はそんな高くないぞ」
促されるままに、私は視線を足元へと落とす。なんとそこには――。
「おい、俺は目を合わせろとは言ったが、見下せとは命令してないぞ!」
……え?私は目を見張った。
なぜなら、視線の先にいたのは何を隠そう、私の飼い犬モックだったのだ。
「おい、お前!聞いてるのか!」
呆然と見下ろす私と人間の言葉を喚きちらすモック。これが私とモックの二度目の新しい出会いだった。
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