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「あ…」
「ながれぼしー!!」
斜め前を歩いていた子供が、親に手を引かれながら私が心の中で呟いたのと同じ言葉を叫んだ。
一緒に立ち止まって上を見上げる親子の姿を見て、幸せな風景だなと思う。
うっすらと微笑んで、隣を通り過ぎた。
流れ星には、願い事をするんだっけ?
あの子の願い事は何だろう?
私の願い事は……何だろう?
何かに願う程のことではないけれど。
あの人が、幸せであればいいと思った。
そして、もしも次に“好きになる人”は、大好きだったあの人と 似た人が良いなと思った。
届かない人だからこその、淡い あわい 想い。
寒空の下、白い息に溶けて消えた。
「shooting star」‐終‐
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