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きっかけは、単純なもの。
好きな人が、カフェモカを好きだったから。
それまでは、カフェモカがどんな味なのか私は覚えてもいなかったし、意識して飲んだときはこんなに甘い飲み物なのかと驚いた。
けれどその甘さは、私を幸せな気持ちにしてくれる。
行儀が悪いと知っていながら、片膝を組んで、肘を付きながらその甘さを味わう。
こんなもんで幸せだと感じられるなんて、私の幸せはお安いもんだなと思った。でも、そんな自分も嫌いじゃない。
カップの三分の一を残して、席を立った。
寒空の下、残りをチビチビと飲みながら駅へと向かう。
繁華街を通り過ぎて、橋を渡る途中。
ふと見上げた夜空を白い光が横切った。
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