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ギアをパーキングに入れ、フットブレーキを踏んでエンジンを止めた。
運転席のドアを少し開けて、覗いた人影に笑いかける。
「おつかれさま」
「おつかれさーん!満タン?」
「うん。お願いします」
いつものやり取りをして、彼は扉から離れた。
友人が務めるガソリンスタンドに通い始めて、もうすぐ半年経つ。
「3870円です」
「あ、ごめん。おっきいのしかないや」
開いた財布の中身は万札しか入ってなかった。
ごめんと言って渡すと、彼はイイよーと笑って小走りで釣りを用意しに行った。
「芝田くんの、彼女?」
車内を拭くのに借りたタオルを返した相手…たぶん上司らしき人が、窓越しに笑って聞いて来た。
土曜日の昼下がり。
暇なんだな、と思って笑い返した。
「違いますよ」
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