おいでよ、つわものどものらくえんへ

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――コイツ、見抜いてやがったか! ――いや、それよりも……何か言い返してやりてぇ……だが。 自分の今の思考こそ、幼稚で子供じみたものなのだろう。別段、自分の子供っぽさを否定する気も起きないが、敢えてラストは流す事にした。 それよりも重要なのは―― ――確かに、ランドでここまでの怪我を負うってのは無い……。 ――まぁ、俺でもコイツがこんな怪我してたら、スタージャに至るだろう。 「で、どうだったの……? スタージャなんでしょう?」 ――スタージャは通常……三人組で登録することになってる……俺と組んで欲しいってか? この女が? そんな真似するか? ――……それとも、他に探る事でも? 分からないものだな……取り敢えず、今は……。 「サロウ……何してんだ、お前は」 「……あれぇ?」 背後からの怒り交じりの声音が響き、冷や汗を垂らすサロウ。 振り返ってみれば、そこにいたのは――青筋を浮かべる巨大な筋肉を蓄えた実務教師だった。 かつて、ランドで二番目に強いと言われ――今では他の追随を許さない実力を持つ教師を前にしては、流石にサロウやラストでも閉口せざるを得なかった。 「あの……お見舞いに」 「お見舞いだぁ? 見舞いに来てるお前と、見舞われてるコイツがどうして睨み合ってるんだ?」 「……何でだろう?」 「さてな」 そのまま筋肉教師はサロウの襟首を掴み上げ、教室の外へと放り投げる。 猫のような格好で持ち上げられたというのに「シャー」などと言っていたのは、彼女の個性によるものか。 ――……取り敢えず今は、黙って座るに限るな。流石にコイツを怒らせたら、冗談抜きで……。 ――……ん? 不意に視界が高くなったのに気付くラスト。チラリと後ろを振り返ってみれば、何故か自分もサロウと同じように持ち上げられているではないか。 「あの……何で?」 「そんな怪我で来られても邪魔だからな」 「嫌だなぁ、僕は勉強好きな真面目な学生ですよぉ」 「勉強熱心なのはいい事だ……が、まずは怪我とその腐った根性を叩き直してからだな」 そう言うや否や、筋肉教師は先程と同じ要領で、ラストをサロウの元へと放り投げた。
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