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「あらら、ばれちゃった?」
「……どういう意味?」
恥ずかしそうに舌を出す少年とラストに困惑の色を浮かべるラン。それに対し、ラストは今度こそ深い溜息を吐く。
「……何でか知らないがよ、コイツは俺の戦いをちゃんとした立場で見たいんだろ? そんな雰囲気だ……それこそ、このガキ以外が監視者で選ばれたら、ソイツを殺しかねないくらいにな……そうだろ?」
「お兄さん、やるじゃん! いいね、僕も色々と退屈でさ、娯楽に飢えてるんだよね……遊びは真剣にやるものでしょ? 殺し合いの観戦」
「あ、貴方達……それよりも監視者は、危なくなったら助けなくちゃならないのよ? コイツがそんな事、する訳ないわ!!」
「うわぁ、酷い言われようだなぁ」
「いや、それがいいんだ」
ランの制止を振り切り、ラストは微笑みながら、ぐいと少年に手を差し出し続けた。そして、一瞬の間もなく、その手は小さな手のひらに掴まれる事となる。それは即ち、二人の契約が完了したことを意味していた。
「お兄さん……契約完了って事でよさそうだけど……名前、名乗ったほうがいいの?」
「ああ、頼む」
「ちょっと、貴方達!! 何を勝手に決めてるの!」
「ランさん、もう契約完了しちゃったよ? 僕がいる限り、もうこのお兄さんはどんな依頼でも受けられるの……そんなに心配なら、僕よりも強い奴に邪魔してもらうんだね」
朗らかに嗤う少年の言葉に、ランは何も言う事が出来ない。それを尻目に、ツートーンの少年は舌をペロリと見せ――ラストは気付く。この少年には、二枚の舌があると。
「僕の名前はね、ソラ・ゴーゴンジャック! ソラって呼んでよ」
「二枚舌の奴に言われてもな……まぁ、そう呼ばせてもらうぜ……ソラ」
互いに互いを見据え、両者は笑みを漏らす。互いにその笑みの真意は推し量れなかったが、二人の様子を見据えていたランだけが理解できた。
とはいっても、両者の真意が、ではない。自分がとんでもない事をしでかしてしまった――それを理解してしまったのだ。
「ところで……僕、丁度お兄さんに合う人間、知ってるよ?」
「教えてみろよ」
「『玩具屋』って……知ってる?」
☆☆☆
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