やくると製品

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部屋に入った香弥は、 「わー案外キレイにしてるね」等の適当な賛辞もそこそこに、お楽しみのヤクルトをテーブルに載せた。 すっ……とおもむろに親指を立てると、ぐりぐりとヤクルトのフタに突き刺そうとする。 あぁそうやって開けるわけね君は。 周りからゆっくりとめくり上げて、ヤクルトが油断している隙に、思い切って止めをさすのが定石のやり方だというのに、香弥はかわいいな。 そんなやり方をしたら君の場合はイヤでも…… ズボッ! ビシャッ…… ああほら、言わんこっちゃない。 鼻と口もとにヤクルトが飛び散って……飛び散って、点々と、ええと。 「あーあ、やっちゃったー」  ぺろっと親指をなめる香弥。 これはもう、そこはかとなく想像せざるをえない。 なんてこと、言ったところで香弥には意味が分かるまい。 と言うわけで言ってみた。 するとみるみる血相を変える香弥。 えっ、なんだこの反応。 「……わかってんの?」 意味が。 思わず聞いた俺のアホ。 チッ。 真っ赤になって閉口する香弥を前に今さら引けるか。 しかたねぇからキスした。 初めてのキスは、たいそうお腹に優しい味がした。 (2話目オワリ) (気まぐれで3話目かきます)
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