十一

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 下半身はもうグズグズととろけ、呼吸もままならないほどに喘ぎながら腰を動かす覚馬の痴態を楽しむように、一彰の中心は硬く貫き続けた。 「は、ぁ……あ、ぁ!」    最後の一押しとばかりに突き上げられた瞬間、背をしならせた覚馬の中と腹に熱い飛沫が同時に広がる。  どくどくと注ぎ込まれる愛し合った証が、身体に深く情熱を刻むようだった。 「ハァ……ッ、ハァ……ッ」 「大丈夫か? まさかこれだけでもう無理なんて言わないよな」    一彰のその言葉に目を丸くする。  怪我をしている一彰の呼吸は乱れていない。それどころか晴れ晴れとした表情は爽やかですらある。  確かに今日は覚馬の方が動いてはいたが、ここまで差があるとなんだか自分が貧弱に感じてしまう。 「別に僕はまだまだ大丈夫だけど、一彰さんは怪我してるんだからもうダメ」  言い訳がましいことを口にしながら一彰のものを抜こうと身体を浮かせたとき、まだそれが硬いことに笑ってしまった。 「あはは。ちょっと、一彰さん元気すぎだよ」
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