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悪魔が翔太の首がと祐太の体を支えて、ニヤリと笑う。
「あんたがいけないんだぜぃ。好かれていることを知りながら選ばなかったんだから。あんたに理想の姿を見せたいがために悪魔に魂を売った二人は永遠にあんたの脳裏に刻まれたぜ」
私は、そのまま口から泡を吹き意識が遠くなる。
二兎を追う者一兎も得ず。
そんな言葉が頭をかすめた。
そして、後の祭りと言う悪魔の言葉を最後に私の意識は途切れた。
悪魔は、首と体を手から離して楽しそうに笑う。
「人間って欲深くて、悪魔にゃ楽しいこと、この上ないね!」
そう言って、空へと飛んで行く。
「上等の魂、喰らうの楽しみだぜ!」
そう喜ぶ悪魔の手には、双子の魂があった。
愛も恋も捨てた双子の魂が……。
了
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