68人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
会場の中程にはキレイに盛り付けられたお料理が並んでおり
私は迷わず進んだ
やはり、ローストビーフは美味しい
見たこともない洒落た料理に舌鼓を打っていると
「15番さんですね?」
黒いスーツに身を包んだ女性に声をかけられたら
彼女に番号札はない
多分スタッフなんだろう
「はい。」
「恐れ入りますが受付までお越しいただけますか?」
「はぁ。」
「ご家族の方がお見えです」
「は?」
彼女に続いて会場を出ると
「香織!」
今、一番会いたくて
一番会いたくない人が立っていた
「母さんが倒れたんだ
お前の携帯繋がらないから」
は?
何も返せずにただ輝の顔を見ていると
「今回は諦めろ
病院いくぞ」
輝は私の手を強く引き歩き出した
「ちょっと離してよ」
「やだね」
「てゆーか、何でいるの?」
「母さんが倒れたからだろ?」
…………。
最初のコメントを投稿しよう!