看病

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「あ、携帯。なんか届いた」   (携帯に届くメッセージ) 《風邪引いた》 《熱で動けない》 「えっ?風邪引いたの?…熱で動けないって…大丈夫かな?」   (携帯に返信) 《大丈夫?お薬ある?》   (携帯に届くメッセージ) 《薬ない》 《死にそう》 《看病に来て》 「薬ないの?看病に来てって…あたしがっ???えっ?あたし?なんでっ?」   (携帯に返信) 《えっと、あたし君んち知らないし》 《近くに知り合いとか居ないの?》   (携帯に届くメッセージ) 《知り合い居ない》 《熱で動けない》 《買い物もしてないから何もない》 《死にそう》 《助けて》 「えっ?…助けてって、どうしたら??っていうかなんであたしを呼んでるのぉ~っこう言うのは、彼女とかもっと近い人を呼ぶんじゃないのぉ?」   (携帯に返信) 《あたし、まだ仕事中で動けないから》 《それに君んち本当に知らないの》   (携帯に届くメッセージ) 《住所教えるから》 《他に居ないんだ》 《辛くて動けない》 《本当に死にそう》 《お願い助けて》  「あーんっもぉっ、こんな頼まれ方したら気になるじゃないっ」   (携帯を持って廊下に向かう) 「もしもし?大丈夫?」   (電話を掛けると掠れた声でごめんね。助けてと言われる) 「ひどい声、熱で動けないって…薬もないのよね?」   (何もないと言われた直後、咳き込む音が聞こえる。) 「大丈夫?咳かなり酷いね」   (喉が痛くて、咳止まらないし熱で暑くてフラフラする。飲み物もないし、本当に死にそうなんだと言われる。) 「う~ん。…わかった。そっち向かうからもう少し頑張って」   (来てくれるの?ありがとう。待ってるから。と言われる。) 「普段しっかりしてるのに、あんな辛そうな声…仕方ないよね?これも人助けだもん。」   (会社を早退して彼の元へと向かう) ー転換ー 「ねえ?君んちここであってるの?」   (送られた住所の所で連絡する。) 「えっと…白い建物の…2階…の?…うん。わかった今向かうね」   (目の前の建物を上がる) ーコンコンっ 「ねぇ?来たよ?大丈夫?」   (奥からくぐもった声と近付く足音が聞こえる) 「あ、良かった。鍵も開けられないくらいに弱ってたらどうしようかと思ってたの」   (とにかく上がって、片付けてないけどと言われる) 「片付けてないの?そんなの気にしないでいいよ。お邪魔します」
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