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失
くす所
だった旧車のキーで
ロックを解除して、荷物を後部席に乗せた
時、LINEの着信が入った。お菊と表示され、 内
容を確かめると、『出張お疲れ様♪』と、綴ら
れていた。此の時、お菊とは未だメル友の
関係だった。羊助
は、車内
に
乗り
込み返信を送り返した。
『今、夜の買い出し来てて、危うく
車のキー失くす所だった......(汗)』
『あらま....其れで、何処に在ったの?』
『店員が拾ってくれて、追っかけて
届けてくれた♪』
『ドジねぇ~♪でも、良かったね♪(笑)』
『ああ♪お菊は何しとるんや♪』
『ウフ....お風呂入るとこ♪(笑)』
『そっか♪お疲れさん....(笑)』
『羊サンも......♪
そろそろお風呂するね♪
裸だし、寒い....アハハ♪』
『ああ....風邪ひくなよ♪(笑)』
『ウン♪お休みなさい♪(^з^)-☆』
『オヤスミ(*^з^)/~☆』
LINEを閉じて旧車を発進させる。
スーパーを出て、山荘へと向かって走ってい
ると、再びスマフォが鳴った___
送信者は杏樹だった___
又、レナの事だろうと電話を無視した___
呼び出し音が止まった後、数秒後にメールが
入ったが、其れも杏樹だった為、既読せずに旧
車を走らせた。LINEメールは3度入ったが、此
れも全て無視した___
山荘に着いてから、LINEを開き杏樹に返信を
送る。『勘違いするな!俺等は恋仲でも友人で
も無い!』と、送った其の後は、返信も着信も
入らなかった。車を出て山荘正面の扉を開ける。
飲料水の箱は玄関スペース正面の上がり框へ
置いて、リビングへと入った。羊助が、レナを
見やると其の体は震えていた。
暖房は暖炉を作動
させて部
屋を
暖
め
てい
た。裸に
剥いた為、凍え
させる訳には措かず、羊助は
部屋を暖めてから山荘を出た。レナが何時頃
気付いたか、正確には分からないが、羊助
は震えているレナを不思議に思った。
『寒いのか?』と、要点だけを
問いた。レナは頷いて
唇を震わせた。
レナへの
情が失くなったと
云え、風邪を曳かせる訳
にはいかない。羊助はレナの耳許で囁いた。
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