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レ
ナは、
杏樹が運転する
横で思っていた。以前は継母を
陥れた憎き女を、今は母の様に慕い敬愛して
居るが、其れと真逆で憎んで居る羊助が、今は
自分の最大の脅威と成っていた。車が目的の
山荘に近付くにつれ、脚が震え
緊張が心を支配
する。
杏
樹がそんな
レナを察するが思いは同じで、
杏樹は羊助の嗜虐を屈辱的な諸行で
強いられ、今日は杏の営業を途中で繰り上げ、
群馬の山荘に向かっている。羊助は急な話しと
しか云わなかった。一体、何を伝え様として
いるのか、全く用途が掴めない。
杏樹のBMはもう
直ぐ伊香保
インターへ
着
く。そんな
2人の悪魔。羊助は、現地恋人と
したスーパーレジ担当主任・杉浦亜希と
亜希の休日となった今日、始めてのドライブ
デートと洒落こんでいた。服装も、其れなりの
物を着こなし、悪趣味な身なりでは無い__
其れは、亜希も同じであった。
旧車のBMが裏
榛名を下
る。
「道、詳しいのね♪」(笑)
「仕事であっちこち飛び回っとり
ますからね♪」(笑)
「羨ましいですね♪
眼に映り培われた物が経験として、
人を成長させるんですね♪」(笑)
「忘れとる事も多々有ります♪」(笑)
「ウフ....其れは私も同じです♪」(笑)
羊
助は
亜希と健全なデートを楽しんだ。
羊助は思った。亜希は自分の住む世界とは
無縁の女。裏街道を歩いた羊助には、亜希は華
で淑やかな女であった。羊助は、亜希を大切に
思う想い人とした。亜希は独身だが、結婚・
出産の経験があり、一児の母
であった__。
裏
榛名を下った。
羊助はデートの締めで榛名山を
登り、山々の雄大な絶景を亜希と共に堪能した。
今日1日で、亜希の生活環境・経緯を聞き、羊
助も、結婚を誓った許嫁が居て、其の許嫁が
とある事件の犠牲と為り、亡く
なったと亜希に
伝えた。
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