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  学校帰りの交差点、信号待ちの最前列。 うっかりコンビニでアイスなんて買った日には、一瞬でとけちゃうんじゃないかってくらいの暑さなのに空模様はなんだかイマイチ。 『雨が降るまえに帰りたいな』 なんて、空を見上げた所に予想だにしない後ろからの衝撃。 もちろんあたしは車道に顔面ダイブ……しなかった。 「ぐぅ、え゙っ!」 口から出たのは、うら若き乙女の口からは出るはずも無い、つぶれたカエルみたいな声…… 悲鳴があがる中、どうやらあたしは襟首(えりくび)を鷲掴(わしづか)まれて九死に一生を得たらしい。 細いと自負する首に全体重プラス荷物の負荷がかかったら、やっぱり平気なわけなんてなくて。 あ、細いからってスタイルが良いとかじゃない。 痩せのチビでまな板だから細……って、自分で言ってて悲しくなってきた。 ……まだ成長するもん、きっと。 遠ざかる意識の中、最後に見たのは偶然助けてくれた響(きょう)先輩の顔。 (…やっぱり…カッコイイ……) なんて不謹慎にも思ったけどお礼を言う間もなく、あたしの世界は暗転した ――… ――― ――――― ――――――――
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