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パソコンの画面上に職員一覧を表示し、手元の案内リストを確認しながら、送信先を指定していく。
まずは、総合相談課の職員。主賓は課長だ。
それに、同期で研修が同じ班だったメンバーと、奈緒が所属している窓口業務の研究会の面々。
あとは、奈緒と個人的に親しい人たち。その中には、なぜか斉藤さんの名前も入っている。
このメールを送ったら、庁内で騒ぎが起きるのは間違いない。
奈緒は、本人が分かっていないだけで相変わらずもてまくっているし、絶賛片想い中の連中もたくさんいる。
それに、何と言っても、奈緒は、まだ二十三だ。今の彼氏とこのまま続くはずがないと信じて、奈緒がフリーになるのを必死で待っていた奴もいるだろう。
そう思うと、ちょっとだけ気の毒ではある。
──まあ、好きな子の幸せを喜んであげるのが、本当の愛情というものよね。
亜矢子は、心の中でつぶやき、「送信」をクリックした。
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