天の川の甘い雫

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コンビニで弁当と冷たいビールを六缶パック買う。 「そんなんで足りるの? 俺、飲まなくてもいいから。コーラ買ったし」 酒に弱い拓未はしっかり自分の回避用を手に入れていた。アルコールが回ると眠くなってしまうからだといつも言うけれど、そればかりじゃないのは由伸も承知の上だ。 「コーラ飲んでもいいけど、ちゃんとビールで乾杯してくれよ。俺ばかり飲むのも寂しいからさ、ね?」 大きい図体を寄り添わせて、低い甘えた声が拓未の耳元で囁く。 酔っている拓未は素直な反応を示す。それを、由伸は楽しみにしているのだ。 拓未はそれを見られたくない為、一応シラフの時は澄まして反発する。結局は、流されてしまうのだけれど。 「わ、わかった。ちょっとだけだからな」 「了解、後は任せてくれ。フフ」 上機嫌な由伸に対して、不機嫌な拓未。 だけど、なんだか温かい気分になる拓未だった。やはり、この男が好きだと自覚したのは言うまでもない。
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