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列の最後尾を前にコトナが「うそ、もうこんなに並んでるの?」と言い放つと、勘弁してよ。とでも言いたげな顔で肩を落とした。そこで、抱えていた息子を下ろすと、直ぐに瞳を潤ませて顔がみるみる崩れだしていく。 「あ、ああ」と両手を伸ばしてくるので、抱っこをしてほしいのだなと解釈し、再び抱き上げる。 膝を使って揺すってあげると、息子は口をむにゃりと動かして満足気に首の力を抜いた。 「ここだったら三十分もかからないうちに順番は回ってくるよ。あと十五分くらいで新年だし一時間もあれば帰れるさ」 「冗談でしょ、一時間もこんな所にいたら凍えて死んじゃうよ。だいたい、一人で来ればいいのになんで私たちまで来なくちゃいけなかったのよ」コトナが不平不満を口にした。 「家族そろって来なくちゃ意味がないんだよ」 「なによ、去年は私たちを置いて一人で来たくせに」 「去年は産後間もなくて君の体調がすぐれなかったからだろ?」 「それは、そうだけど。にしても、お昼じゃダメだったの?この子の教育的にも良くないと思うんだけど」
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