第3章

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 バジュラたちを解放したのはギャラクシーが彼らを操ろうとしていたから、ギャラクシーのしようとしていることがおかしかったから、と考えた所でクィーンが話しかけてきた。 『助けるのに理由なんて、あって無いようなものなのだ』 「だけど、バジュラ、お前たちを操ろうとしていたのは俺たち人間だ。恨んでいるんじゃないのか?」 『それを言ったら、私たちを救ったのもまた人だろう。…人間とは厄介だな。なぜそんなに理由にこだわる?お前の性分か?』  呆れたようなクィーンの物言いに、俺は答えることが出来なかった。  バジュラたちは至ってシンプルだ。  助けが必要だから助けた、そこに人間のような損得の考えなど持っていないのだ。 「溺れていた時、ただ死にたくないって思った。助けられたってことは、その声が通じたのか?あの時、近くにはバジュラは居なかったと思ったけど」 『その、耳にしているそれから声が私たちに届いたようだ』  フォールドクォーツのことを指摘され、改めて想いを伝える石の有り難みを実感する。  これが無ければ、今頃どうなっていたことか。
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