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「…バジュラ、シェリルはどうしてる?生きて…いるんだろ?」
ずっと確かめずにはいられなかった質問を投げ掛ける。
ランカの臓器を移植してV型感染症と歌の力をコントロールする計画までもあったと言うことは、完治までしないまでも、抑えることは可能だったのではないかと考えていた。
二人とも無事で治療が間に合えば、生きている可能性が高いはずなので、それを肯定してほしかった。
『そのシェリルと言うのが、前から聞いている者のことか?』
「そうだ」
『答えは変わらない。私には分からない』
「何で分からないんだ!シェリルもV型感染症に罹っているんだぞ」
『私たちの持つお前たちの言うところのVウィルスと、彼女のVウィルスは違うものだ。私たちはそれを介してネットワークを繋げているが、人に感染したものはまた形が変わる。私が感じられるのは、ランカという者だけだ』
「だったら!ランカに聞いてくれ。シェリルの治療は間に合ったんだろう?って」
興奮して早口になりながらバジュラに頼むも、返ってきたのは悲しい現実だった。
『こうして私とお前が話出来るのも、繋がっているからだ。遠く離れた人に問いかけても、返事は来ない。言葉が通じないのだ』
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