第1章

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「…バジュラ、シェリルはどうしてる?生きて…いるんだろ?」  ずっと確かめずにはいられなかった質問を投げ掛ける。  ランカの臓器を移植してV型感染症と歌の力をコントロールする計画までもあったと言うことは、完治までしないまでも、抑えることは可能だったのではないかと考えていた。  二人とも無事で治療が間に合えば、生きている可能性が高いはずなので、それを肯定してほしかった。 『そのシェリルと言うのが、前から聞いている者のことか?』 「そうだ」 『答えは変わらない。私には分からない』 「何で分からないんだ!シェリルもV型感染症に罹っているんだぞ」 『私たちの持つお前たちの言うところのVウィルスと、彼女のVウィルスは違うものだ。私たちはそれを介してネットワークを繋げているが、人に感染したものはまた形が変わる。私が感じられるのは、ランカという者だけだ』 「だったら!ランカに聞いてくれ。シェリルの治療は間に合ったんだろう?って」  興奮して早口になりながらバジュラに頼むも、返ってきたのは悲しい現実だった。 『こうして私とお前が話出来るのも、繋がっているからだ。遠く離れた人に問いかけても、返事は来ない。言葉が通じないのだ』
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