第2章

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 目覚めると久しぶりに夢を見なかったせいか、少し気持ちが軽くなったような感じを覚えた。  たまたまなのか、そんなことは出来ないと言っていたクィーンの力なのかは分からない。 『少し気持ちが上向きになったようだな』 「考えすぎて、俺自身が夢を見るようにしていたのかもしれない。考えないようにするのは難しいけれど、アイツは生きているって信じることにした。歌うことが全てだって言ってたヤツだから、まだまだ歌い足りないはずだ。それに、俺の仲間が病気のことも助けてくれてるはずだろうし」 『そうか』  クィーンがそう返事をしたら腕に繋がっていた管が一斉に抜け、上部へと吸い込まれていく。 「バジュラ?」 『ここに居るのも退屈だろう。そろそろ少し外に出てみるか?』  思わぬ提案に、ここに来て初めて心踊った。 「あ、でも外に出て大丈夫なのか?」 『人として活動出来るかと言うことか?確かめてみると良い』  そう声がすると目の前の薄い膜が開けて、一気に光が目に飛び込んできて、思わず眩しくて目を細める。  慣れてきて下を見下ろせば、クィーンの周辺には沢山のバジュラたちがいて、のんびり過ごしているように見えた。 『どうだ?息苦しいか?』 「いや、大丈夫そうだ」  惑星の酸素などの割合は機械が無いので計測できないけれど、普通に呼吸することに違和感も無いので外で活動することに支障は無いようだ。
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