ベータ版へ、ようこそ

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「β版かぁ。特典は興味があるから、やっても良いけど、仕事辞めるのも気がひけるよなぁ。」 惑星ゲームは、国が全面的にバックアップしており、参加=退職という図式が成り立っている。 各国で法改正も行われ、企業に拒否権はない。 「まぁ、これから給料だってたいして上がらないだろうし、辞めるなら今か。」 俺は、目の前にあるエントリー画面から参加ボタンを押した。 パソコンの画面から、ヘルメットを被った真っ赤なウサギが現れた。 「ようこそ、惑星ゲームへ。これは、ベータ版だけど、あなたが取得したアイテムは全て、本番に引き継がれるから安心して。」 恐らく、ちょースタイル抜群の金髪ねーちゃんが、このウサギの着ぐるみを着てるに違いない。 顔は分からんが、エロスの塊だ。 「じゃ、行ってらっしゃい。」 そうウサギが言った瞬間、黒のウサギの着ぐるみを着た集団が俺の部屋に入ってきて、手足を拘束した上、俺を黒い箱に押し込む。 恐らくこの箱の中に睡眠ガスでも入ってたんだろう。 気づいた時には、俺は惑星にいた。 惑星は、「エボリュート」と呼ばれている。 恐らく、進化=エボリューションから来てるのだろう。 安易だw 周りを見渡すと、砂漠が広がっていて、すぐ近くにオアシスのような水場もあり、なかなかの絶景だ。 俺の横にはリュックがあり、名前が刺繍 してある。 開けてみると、紙切れ一枚と見たこともない物体が入っていた。 紙切れには、 「リストバンドは、レベル分かるよ。この星の特殊金属みつかた。強さ分かる。リストバンドは、金属解析成功。」 なんだ、この日本語は。 若干、馬鹿にされてる気もするが、読み進める。 「あんたへのベータ版、特典はこの袋。特殊素材でできてるよ。空気、水、あらゆる物体通さない。そして、ボタン一つで真空密閉。これで、食材の保存は完璧だね。」 なんか、もっと、凄い特典が出てくるような、そんな感じを予想してたんだけど。。。 (この流れだと、普通、そうじゃん。) バトルに使えないよなぁ。 そもそも、武器的なものが、あるのかも分かってないしな。 事前情報だと、各国の精鋭が数十年前から惑星ゲームの為に、探索を行って、惑星で見つかる特殊素材で、いろいろなアイテムを作ってるらしい。 ちなみに、この各国の精鋭は、運営って呼ばれてる。
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