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チケットを発券して、出て来た座席番号に鳥肌が立った。今回のライブ、まさかの1列目最前列、しかもどセンター。きっともう、こんな神席あり得ない。
コバト女学園のファンになって約3年。いつもだったら、自分より頭1つ分くらい背の高いオジサマたちの群れから、精一杯のつま先立ちと、時折その場でジャンプしながら顔を出すこと必至だが、今日は視界を遮るものが何もない。思う存分、彼女たちを応援出来る。
「オジサンね、福岡から来たんですよ。娘や妻から邪険にされててね、娘に『私より年下のアイドルが好きとかありない』なんて泣かれましてね、もう2ヵ月、口を聞いてくれないんです。この間も妻に『気持ち悪い』とこつこつ集めたグッズ捨てられまして。自分もいい年して、じぇーそーるのライブに行ってるくせにね」
そう言って隣のオジサマは苦笑いをする。この人、家族に何を言われても、「好き」な想いを貫き通しているんだ。朗らかな口調で自虐するオジサマに私は感動した。ライブが始まる前なのに、感極まる。
「コバト女学園が好きなんですね?」
「はい、大好きです!」
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