イケメンじゃないの?

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 隣に座ってチューハイを煽る男に訊ねると、しっと口元に人差し指を当て、「真面目に見なさい」となぜか説教された。 「全ての質問には、DVDを見終えてから受け付けるから」と言われ、膝を抱えるように座り直すと、口を尖らせながら、テレビに注目する。 「ここからは、『天使との契約』について説明するニャ。天使が下界に降り立った時、初めて逢った人物をパートナーとする決まりがあるんだニャー。パートナーは、天使が下界で人間らしく生活する手助けをする義務があるんだぞ。天使の問いかけに『イエス』と答えた時点で、パートナー確定になるんだニャー」  パートナー? 問いかけ? 私はイエスと答えただろうか? 全く記憶にない。この猫は何を言っているのか? 「天使と契約を結んだ者には、その印として左手の薬指に指輪が嵌められるニャ。この指輪は天使とペアになってるんだぞ。天使の『お仕事』が終わらない限り外れないから、注意して欲しいんだぞ。無理矢理外そうとすると指がちぎれるんだぞ」  指輪の話題が出て来て、私は左手を覗き込んだ。これは、天使とやらと契約を結んだ証なのか。ちらりと男の左手薬指に注目する。確かに彼の指にも指輪があった。
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