44人が本棚に入れています
本棚に追加
無理矢理外そうとすると指がちぎれるって、さくっと説明しないで欲しい。その道の人が小指を詰めるのは訳が違う。暫くは薬指に指輪を嵌める予定はないが、指が無くなってしまうのは困る。手を使う仕事だし。それにしても天使って一体……頭の中が疑問で埋め尽くされる。
「天使が下界に降りて来るのは『お仕事』のためなんだぞ。お仕事遂行のためにサポートして欲しいニャー。そして、天使が下界にいることは、あなただけのヒミツにして欲しいんだぞ。他言したり、お仕事が遂行されないと、あなたの顔が相棒の天使の顔に変化しちゃうんだぞ。あなたがいなくなっちゃうんだニャー、怖いニャー、気を付けて欲しいニャー」
私の顔が何に変わるって? 隣の男の顔を改めて確認する。安定のブサイク。この顔で女で、残りの人生を過ごせと言うのか? 絶対、嫌! この猫はさらりと恐ろしい事を言う。パートナーとやらのリスクが高すぎる。
「最後に、天使の相棒に選ばれたからって、恐れる必要はないんだぞ。天使のお仕事が済めば、あなたが天使と過ごした記憶はすっぽり無くなるんだぞ。天使との契約は絶対で、棄権すること認められないんだニャー。もし、この説明をしても信じられないというあなたは、こちらで記憶の一部をマインドコントロールしちゃうかも……なんだぞ。天使は怖いんだぞ。気を付けるんだぞ」
とぼけた猫のぬいぐるみを使って、最終的は脅しになっているじゃないか。
最初のコメントを投稿しよう!