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萌伊ちゃんはなんていい子なんだろう。私が萌伊ちゃんと同い年の頃は、自分のことしか考えてかった気がする。萌伊ちゃんの成長、ずっと見守ってるよ。心の中で呟く。携帯の画面が霞んで見えなくなってきた。
今日あった出来事で疲れた私の心が浄化されていく気がする。ありがとう、萌伊ちゃん。ズルズルと鼻を啜りながら、床に放ってあるボックスティッシュを、暗闇の中で掴み取る。ブビーと鼻をかみ、ゴミ箱があるはずのベッドの隅に向かって、丸めたティッシュを投げた。
ヤバイ、もう3時過ぎてるじゃん。ギリギリ8時には起きないと。睡眠時間を計算して、携帯のアラームをセットし、タオルケットを頭まで被った。
「何だ、まだ眠れないのか? 添い寝してやろうか?」
和室の戸が開き、天使の声がした。返事はせずに、この部屋に足を踏み入れるなという意で、枕を天使に向かってぶん投げた。
萌伊ちゃん、私の所には彦星じゃなくて、変な天使が舞い降りて来たよ。これも七夕の奇跡なのかな?
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