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翌日。定時に仕事を終えた私は、天使を誘って近所の居酒屋に来ていた。天使は日がな一日、ソファの上でゴロゴロしながら、テレビを観ていたらしい。げーのー人の不倫が流行っているんでゲスと嬉々とした表情で、どうでもいい情報を私に報告する。
私が帰って来た時は、手鏡で自分の顔を見ながら、ポージングを研究してた。物凄くポディシブなナルシストは、傍から見ると若干イタイ。
今の所着るものがそれしかないので、相変わらずの萌伊ちゃんが描いたカッパTEEと私の高校時代のジャージで、居酒屋に向かった。足元は私のビーチサンダルを窮屈そうに履いている。
居酒屋「田木ちゃん」は私のアパートから徒歩5分内の場所に位置していた。その名の通り、親バト会、東北支部の会長である田木さんが経営している店だ。昔ながらの居酒屋だけれど、料理がお手頃価格でおいしい。一人暮らしだと料理を作るのが億劫になるので、度々利用させて貰っていた。
住宅街の間にひっそりと建つ、古めかしい佇まいの建物。ぼんやりと明かりの灯った赤ちょうちんに色褪せた紺色の暖簾をくぐる。立て付けの悪い引き戸を開くと、そこには懐かしい雰囲気が漂っている。
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