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「ファーザーは日々、顔を入れ替えて生活している可能性もある」
「確かに、いくら顔がばれてるからって、0歳の時からお爺さんの時までの顔が選べるなら、探すのが更に大変だ。いくら外国人っぽいって特徴があっても、最近は外国人観光客が日本中に溢れているし」
これは思った以上に長いスパンでの捜索になりそうだ。一週間もあれば、お仕事遂行できるだろうと安易に考えて同意した私は、がっかりと肩を落とした。ふぅと私と天使のため息がシンクロした。
「でも、可能性もある。天使は長い間地上にはいれない。下界の空気が汚過ぎるのだ。天使のアイテムを使ってもせいぜい数か月が限度で、天界に戻らないと、体調に異変が起きる。ファーザーが失踪してから一か月が経っている。きっとあちらから何らかのアクションを起こすのではないかと、我々は睨んでいる」
「時が来たなら、しっぽを出す」と天使は自分に言い聞かせるように頷いた。
「あ、ねぇ、そういえば、昨日、私に萌伊ちゃんになれるって言ってたじゃない。実際に私の目の前で実演してた___」
「天使アメのことか?」
「そう、天使なら誰でも手に入るものなんでしょ? 天使の世界で一番偉い方なのだから、そのアメを使ってるとしたら、自分とは全く別人の姿に変身することも可能ってことだよね? 例えば、私とか田木さんとか」
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