コバト女学園

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 うわぁあああっ! と驚きと感嘆の野太い声が上がり、制服姿の女の子たちが笑顔で歓声の中をこちらに向かって走ってくる。 「キャー! 萌伊ちゃーーん!」  彼女たちの登場に堪え切らず、野太い声に交じって、甲高い悲鳴をあげているのは、私。……じゃなくて、右隣のオジサマだ。私もオジサマに負けないように、萌伊ちゃんに届くように必死に声を張った。全員がステージに上がると、鳩胸先生が奏でるトランペットの拍子に合わせて皆が、自己紹介を始める。  自己紹介のシメは最年長の中学3年生でコバト女学園の生徒会長、笹井萌伊(ささいもい)ちゃんだ。私は彼女が小学生の時から、ずっと応援していた。白くぷっくりとしたほっぺに、つぶらな瞳。口元から覗く八重歯に、ちょっぴり天然な性格。かわいい萌伊ちゃん。好きな食べ物はキュウリの萌伊ちゃん。そのおっとりした外見とは違って、ステージ上ではキレッキレッのダンスを魅せる。小学生の時はちっちゃくて、背の高さを気にしていた萌伊ちゃんも、今ではすっかり女の子になった。その成長過程を思い出しただけでも、自然と涙が溢れてくる。
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