ブサイク天使と同棲始めました

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「もう、田木さんがいい人だからって、調子に乗らないでよね」  文句を言いながら、モロキューを頬張る。うん、キュウリがみずみずしくて、美味しい。天使は返事もせずに、カレンダーの横にある、額に入った写真を眺めていた。 「ここにニコがいるな」と写真を指差して呟いた。 「あぁ、それね。1年位前の写真かな。萌伊ちゃんのいるアイドルグループを応援するファンの集会だった」  20人位の親バトさん達が集まった東北支部会での集合写真だ。親バト帽をかぶったオジサマたちの中に、紅一点、私の姿が写っていた。 「へぇ」と天使は立ち上がって、食い入るように写真見ていた。  友人のまあこちゃんを初めてここに連れて来た時に、この座敷の写真を見て、「うわっ、何、この集団。キモイ」と引いていたのを思い出した。 「何? いい年して恥ずかしい事してるって思ってる?」  どうせバカにしてるんでしょう? 友人のまあこちゃんですらそうだった。ふて腐れながら、訊ねる。口の中のキュウリをビールで流し込んだ。 「恥ずかしい? 何で恥ずかしいのだ? 皆いい顔をしている。ニコも。この人たちは、本当に笹井萌伊が好きなんだな」
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