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龍ちゃんと間近で見つめあう。
自然と手が伸び、その顔に触れる。気が付けば龍ちゃんも俺に同じことをしている。
子供の頃から憧れ続け、恋し続けた、たった一人の男。
強く優しく、俺の事を愛し包んでくれる、愛しくてたまらない俺だけのサムライ。
どんな事があっても絶対その手を離さず隣を歩いていくと心に誓う。
「蒼」
俺の頬を撫で、優しく俺の名を呼ぶその唇に、自分の唇を重ねる。
俺達の二人の関係は誰にも理解されず、祝福されないものかもしれない。
でも、その瞬間、俺の耳には厳かに鳴り響く鐘の音が聞こえ、閉じた瞼の裏には祝福する天使たちが二人の周りを飛び回っているのが、確かに見えたのだ。
<完>
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