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「―――― あぁ、わかった。じゃあ、また・・・」
高村颯は、釈然としない思いで、電話を切った。
どさりとクッションに仰向けに、沈み込む。
これで二度目だ。
週末のデートを葉月に断られた。
夏休み、一緒にこの部屋で過ごしてから、もう三週間も経っていた。
お盆に、帰省してから戻ってすぐ、颯は合宿、葉月は研修で
お互い忙しかったのは確かだ。
それでも、大学はまだ夏休み中で
会う時間なんて、いくらでも作れると思っていた。
あい間に、葉月が見たいと言った映画を二人で見に出かけた。
アクション映画なんて見るのかと意外だったけれど楽しかった。
帰りに食事をして、電車だったので、葉月のアパートまで送っていった。
そのまま部屋に、って期待したけど、
次の日早いからと言って、別れ際にキスしただけで終わった。
なんだか逃げるように部屋に入っていった姿が気になった。
9月に入って、陸上の記録会やなにやら
週末は行事が詰まってきた。
学校が休みのうちに、なんとか・・・
もう一回ぐらいは・・・抱きたい・・・・
ふと、不安にになる。
何かまずいことしちまったのか?
夢中で、全然、余裕なかったもんな・・・
考えれば考える程、わからなくなって
颯は、頭を抱え込んだ。
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