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――――― ふぅ
遠山葉月は、ため息をついた。
きっと気を悪くしたよね、今の電話。
ぱふっ。
そばにあったクッションの上に寝転がった。
高村くん・・・・
目をつぶれば、浮かんでくるのは颯の顔ばかり。
あの夜の事が、また心を占める。
比べることなどないと分かっている。
そんなつもりでも、全くなかった。
それでも、経験があるなら、前との違いは、考えないようにしたって、
どうしても、頭に浮かんでしまう。
敬治さんは、優しかった。
ううん、高村くんが優しくない訳じゃない。
私が知ってるsexは、
ゆっくりと、じんわりと気持ちよくなるような感じ。
でも、でも・・・
あんなに、激しいなんてぇ――――
頭の中が、ショートしたように何も考えられなくなる。
思い出しただけで、身体の奥が熱くなって、
じわりと湿り気を帯びるのが分かってしまう。
そんな自分に戸惑いながら、
淫らな想いが、止められない。
口内を這う颯の舌。
節くれだった指に、ギュッと身体を掴まれる。
呼吸が荒くなって、
葉月は、自分で自分を抱き締めていた。
ぼうっと熱にうかされたような顔。
こんな顔で、高村君に会えないよ。
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