それは誰のもの

17/31
95人が本棚に入れています
本棚に追加
/129
今笑った? 笑ったよね。 あれ、なんかすごく嬉しい。 嬉しいし、ドキドキした。 「あのね、自分ではよくわからないんだけど、私の服の匂いで良かったらじゃんじゃん嗅いでいいよ」 口に出してから、変なことを言ったなと恥ずかしくなる。 「あの、ほら。蒼都くんなんか嬉しそうだったから。してってことじゃないの」 「うん」 言い訳する私に小さく頷くと、蒼都くんは急に私を腕の中に抱き寄せた。 頭の上でスーッと鼻から息を吸う音が聞こえる。 えっと、どうして私は蒼都くんに抱きしめられているんだろう。 蒼都くんが懐かしくて良い匂いなのは、私じゃなくて私の服だっていうのに、顔がほてってくるのが分かった。
/129

最初のコメントを投稿しよう!