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元々、同性愛にも性転換にも大した偏見はないけど。
抱き合う私たちはお互いストレート。
別に、これに大した意味はないのだ。
「おいそこ。レズってんじゃねえ」
…目の前の男を除いて。
「妬くな妬くな」
笑いながら言うと、不機嫌に輪をかけてしまったらしい。
「お前、分かって言ってんだろうな?」
「何が?」
「どっちに妬いてんのか」
うわーお。
「えーっと……どっち?」
試しに小首を傾げて問うてみたら、抱き締めていた体が、スルリとなくなった。
あ、逃げんなコンチクショウ。
「……ごゆっくり」
まほは、苦笑いをしながら部屋の扉を閉めた。
そんな、殺生な!
パタンと、無情な音を立てて閉められた扉。
直後にカチャンという小さな音。
………あの子、ご丁寧に内鍵までわざわざ締めて行きやがった。
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