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「…甘やかすな馬鹿」
「断る。お前、弱った時しか可愛くないからな。俺の特権だろ」
「…趣味、わるい」
「そうか?男は『俺だけ』ってのに弱いからな」
「…女もそうだと思うけど」
「ふーん?」
話しながら、あやすように私の背中を軽く叩いた。
こういう所がまほと兄妹だよなと思いながら、背中に感じる心地よさに、目を閉じた。
トントンと、穏やかな優しいリズムに。
何だかとても、泣きたくなった。
「柔らかな君」‐続‐
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