柔らかな君・上

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「…甘やかすな馬鹿」 「断る。お前、弱った時しか可愛くないからな。俺の特権だろ」 「…趣味、わるい」 「そうか?男は『俺だけ』ってのに弱いからな」 「…女もそうだと思うけど」 「ふーん?」 話しながら、あやすように私の背中を軽く叩いた。 こういう所がまほと兄妹だよなと思いながら、背中に感じる心地よさに、目を閉じた。 トントンと、穏やかな優しいリズムに。 何だかとても、泣きたくなった。       「柔らかな君」‐続‐
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